マスターを彩る色彩の赤さに目眩がした。マスターの腕をつぅっと切って、真っ赤な液体を掬い上げて、可愛いマスターの真っ白い頬に塗って、かぷ、と噛み付く。マスターはくすぐったそうにくすくす笑った。やっぱり可愛い人。どんなに真っ赤でも、マスターは可愛い。
「ん、や」
ぺろりとマスターの頬を舐めると、マスターは甘ったるい声を上げて楽しそうに笑う。僕の血なんておいしくないよー、なんて言って、可愛く笑う。僕にとってはマスターの赤はどんな赤より綺麗で、くらくらして、口に入れるとすごく甘くて、マスターの肌にのせて舐めるともうどうにかなりそうなくらい頭がゆらゆらする。このまま食べちゃいたいくらい。でもマスターが死んじゃうのは嫌だから、舐めるだけで僕は満足。マスターの腕をぺろりと舐めると、マスターはぴくんと震えた。可愛い。
「もう駄目。カイト、止血して?」
マスターは腕を引いた。僕は名残惜しくて、唇に残ったマスターの余韻を味わうようにそこを舐める。手にした白い布でマスターのぱっくり開いたおいしそうな傷を覆う。マスターがその上から包帯を巻いた。くるくる。僕がつけた傷は小さいから、きっとすぐに止まって塞がってしまうだろう。
寂しそうに見えたのか、マスターがくすくすと笑って僕の頭を撫でた。そのまま、ぽんと僕の膝の上にのる。背中からマスターを抱っこしている感じ。
「カイト、大好きだよ」
マスターがぴったりと僕にくっついて言う。僕はマスターの首筋に唇で噛み付きながら頷いた。
「僕も、マスターの事大好きです」
可愛くておいしいマスターが、大好きです。

(マスターは可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いマスター。マスター)(大好きですマスター残さず食べてあげたいくらい大好きですマスターの事がマスターが大好きです食べたいくらい食べたい食べたい食べたい)(僕はおかしくなっちゃった)(マスターのせいで!)